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村上春樹がプロレスを語る

1 :名無し職人:02/10/30 13:37
「プロレス内ガチなんて存在しない。わざと打たせるピッチャーがいないようにね」
 僕が大学生のころ偶然知り合ったゼロチューは僕に向かってそう言った。
僕がその本当の意味を理解できたのはずっと後のことだったが、少なくとも
それをある種の慰めとしてとることも可能であった。プロレス内ガチなんて
存在しない、と。
 しかし、それでもやはりプロレスを見るという段になると、いつも絶望的な気分に
襲われることになった。僕が楽しめる領域はあまりにも限られたものだったからだ。
例えばジョニーローラーに興奮できても、小川良成のサミング、あご砕きに興ざめ
してしまうかもしれない。そういうことだ。
 8年間、僕はそうしたジレンマを抱き続けた。−−8年間。長い歳月だ。
 もちろん、UWFのビデオを見続ける限り、プロレスに幻想を持ち続けるのはそれほど
苦痛ではない。これは一般論だ。
 20歳を少し過ぎたばかりの頃からずっと、僕はZERO-ONEしかみないように努めてきた。
おかげでプレデターから何度も追い回され、変な踊りを和牛太と踊り、また同時に多くの
不思議なマッチメイクも見た。様々な外人がやってきて話題を提供し、俺ごと刈られ、
まるでホットスタッフヘルナンデスのように二度と戻っては来なかった。僕はその間
ノアオタの煽りにじっと口を閉ざし、何も語らなかった。そんな風にして僕は2002年
最後の興行を迎えた。

2 :名無し職人:02/10/30 13:38
 今、僕は信じようと思う。
 もちろん問題は何ひとつ解決していないし、
信じきれた時点でもあるいは事態は全く同じということになるかもしれない。
結局のところ、プロレス内ガチを信じることは最高教へちかづく手段ではなく、
最高教へちかづくささやかな試みにしか過ぎないからだ。
しかし、信じることはひどくむずかしい。僕が信じようとすればするほど、
ノアの経営は闇の奥深くへと沈み込んでいく。
 弁解するつもりはない。少なくともここに語られていることは現在の僕におけるベストだ。
付け加えることは何もない。それでも僕はこんな風にも考えている。
うまくいけばずっと先に、何年か何十年か先に、救済されたノアを発見する事ができるかもしれない、と。
そしてその時、三沢はプライドのリングに立ち僕はよりプロレス内ガチを信じ始めることだろう。

3 :名無し職人:02/10/30 13:39
僕はプロレスについての多くを佐々木健介に学んだ。
殆ど全部、というべきかもしれない。
不幸なことに佐々木健介自身は全ての意味で不幸なレスラーであった。
見ればわかる、試合は見辛く、組み立ては出鱈目であり、技は稚拙だった。
しかしそれにもかかわらず、彼はプロレスを武器として闘うことができる数少ない
非凡なレスラーの一人でもあった。
武藤、橋本、蝶野、そういった彼の同時代人のレスラーに伍しても、佐々木健介の
戦闘的な姿勢は劣るものではないだろう、と僕は思う。
ただ残念なことに彼佐々木健介には最後まで自分の戦う相手の姿を明確に
捉えることはできなかった。結局のところ、しょっぱいということはそういった
ものなのだ。

4 :名無し職人:02/10/30 13:39
 8年と2ヶ月、健介はそのしょっぱい闘いを続けそして失踪した。
2001年8月のある晴れた日曜日の朝、頭を丸め、両手に
オープンフィンガーグローブをつけたまま36秒でVTデビュー戦を
勝利で飾ったのだ。彼がプロレスをしていたことと同様、VTをしたことも
たいした話題にはならなかった。

5 :名無し職人:02/10/30 13:39
 僕がUFOに所属したままの小川の試合を偶然見に行ったのは股の間に
ひどい皮膚病を抱えていた中学三年生の夏休みであった。僕にその試合を
提供してくれた橋本は3年前に長州のアングルを患い、小川にボコボコに
殴られ、負けたら引退スペシャルを組まれたままSTOをくらい続けて引退した。
ZERO-ONEを旗揚げした時、彼はまるで狡猾な豚のようにひどく赤茶けて
太っていた。

             ☆

 猪木には全部で三人の弟子がいたが、一人はスタッフを引き連れて
新日を離脱した。全日との対抗戦の2ヵ月後に元子の誘惑に負けたのだ。
ただ一人新日に残った蝶野は現場監督になって全国の地方都市を
巡業している。

6 :名無し職人:02/10/30 13:40
 三沢光晴が良いプロレスについてこんな風に書いている。
「プロレスとは、とりもなおさず自分と自分をとりまくノアオタとの距離を
確認することである。必要なものはガチではなく、今風だ」(「マットが
ふわふわで何が悪い?」1999年)
 三沢が今風を片手に恐る恐る全日を辞めたのは確かジャイアント馬場が死んだ
翌年で、それからもう2年にもなる。2年かけてノアは実にいろんなものを放り
出してきた。まるで小学生の仲間はずれのように川田と渕を放り出し、垣原を
放り出し、ZERO-ONEを締め出し、そして最後にはあわれな大森を放り出した。
2年の間ノアはありとあらゆるものを放り出し、そのかわりに殆んどファミ悪は
放り出さなかった。
 それが果たして今風だったのかどうか、僕には確信はもてない。つまらなく
なったことは確かだとしても、年老いて三沢や小橋がリングにたてなくなった
時に一体ノアで誰がトップになっているのだろうと考えるとひどく怖い。
ワイルド2ではファンひとり残りはすまい。

7 :名無し職人:02/10/30 13:40
「プロレスラーは膝ばかり痛める。もっと悪いプロレスラーは膝さえも痛めない」
死んだ祖母はいつもそう言っていた。
 馬場が死んだ夜、三沢がまず最初にしたことは、自分名義の借金をそっと
会社名義にしてやることだった。三沢が離脱すると同時に、馬場が27年間
育て続けた全日はまるで舗道に落ちた夏の通り雨のように静かに消え去り、
後にはハゲしか残らなかった。

8 :名無し職人:02/10/30 13:40
 もう一度プロレスについて書く。これで最後だ。

 僕にとってプロレスを観るのはひどく苦痛な作業である。1ヶ月間すべての試合を
早送りで観ていることもあれば、三試合連続で観た挙句それがみんな見当違い
といったこともある。
 それにもかかわらず、プロレスを観ることは楽しい作業でもある。総合格闘技の
困難さに比べれば、日本人が活躍するのはあまりにも簡単だからだ。
 十代の頃だろうか、僕はその事実に気がついて一週間ばかり口もきけないほど
驚いたことがある。少し気を利かせさえすればプロレス界は猪木の意のままになり、
あらゆるレスラーはPRIDEでも活躍し、格オタもプロレスを認める……そんな気がした。
 それがアングルだと気づいたのは、不幸なことにずっと後だった。僕はノートの
まん中に1本の線を引き、左側に納得できるものを書き、右側に納得できない
ものを書いた。納得できないもの、ロープの反動、4秒でやめてしまう反則カウント、
トップロープからの攻撃に気がつかないレスラー、お約束のような同士討ち……僕は
それらを最後まで書き通すことはできなかった。
 僕たちがプロレスについて持っている幻想と、実際のプロレスラーとの間には
深い淵が横たわっている。いくら高橋の暴露本を読んでもその深さを測りきることは
できない。僕が好きで観ているのは、ただのプロレスだ。スポーツでも真剣勝負でも
なければ、格闘技でもない。まん中に線が1本だけ引かれた一冊のただのノートだ。
セメントなら少しはあるかもしれない。

9 :名無し職人:02/10/30 13:41
 もしあなたが格闘技や真剣勝負を求めているのならK-1やPRIDEを観ればいい。真の
格闘技が生み出されるためには興行会社が不可欠だからだ。ランペイジジャクソンが
そうであったように、森下が見つけ出し、ホームレスアングルを作り、首からかける
鎖を用意し、そしてその間にジャクソンはLAの太陽の下で柔術に耽り、レスリングに
取り組む。真剣勝負とはそういったものだ。
 夜中の3時に寝静まった街で若手と焼肉を貪るような人間には、それだけの試合しか
見せることはできない。
 そして、それがプロレスだ。

10 :名無し職人:02/10/30 13:41
うんこ

11 :機械のしくみ:02/10/30 13:42
ウンコ

12 :名無し職人:02/10/30 13:43
便

13 :機械のしくみ:02/10/30 13:47
「お腹ピーピー内ガチウンコなんて存在しない。」

14 :名無し職人:02/10/30 13:47


15 :名無し職人:02/10/30 14:08
とにかくその年の夏を、僕とウンコはほとんど毎日
顔をつき合わせて生活することになった。

16 :職人魂:02/10/30 18:41
「プロレス?そうだ、プロレスだ」
僕は沸いたばかりの湯の中に塩をひとつまみ入れながらそうつぶやいた。
僕のつれあいは、とても耳のきれいな女性だった。
休日になると、神田川沿いを通っている電車に二人で乗って
川を眺めている彼女の耳をよくみつめたものだ。
僕はそんな時間が好きだった。
一握りのスパゲティを鍋に入れたところで、ふと電話が鳴った。
誰かに行動の一部始終を見られているかのような、絶妙なタイミングの悪さだ。
僕は一言も話さないまま、電話を切った。スパゲティは茹で上げの時間が大事なのだ。
そして、鍋の中で泳ぐスパゲティを見るともなく見つつ、プロレスに思いを馳せる。

17 :名無し職人:02/10/31 00:03
>>1よりも春樹っぽい文章が出て来ないな…

18 :名無し職人:02/11/07 00:41
(春樹っぽいっつうかモロパクリだもんな。そりゃそれ以上は無理だよ)

19 : :02/11/07 01:08
age


20 :Dr.D:02/11/07 01:31
あの頃 僕たちを熱狂させたプロレスラーたち
数々の歴史という名の副産物を腰に巻きつけたものたちよ
僕は問う、グラン浜田のカンガルーキックは
何処がどうなって カンガルーにみえるのだろうかと
いまさらそんなことは、どうでもいい ほんとにどうでもいい
・・・なんて思い 思われ 振り 振られ

21 :名無し職人:02/11/07 01:33
>>18
何だ、そうだったんだ・・・
どの作品?

22 :名無し職人:02/11/08 12:19
>>21

「風の歌を聴け」

23 :プレノン:02/11/08 14:48
春樹の文を真似すると、脳みそが豆腐のようになります

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